乾癬とヨガ・瞑想-エビデンスと私の体験からー
乾癬や乾癬性関節炎(PsA)は、症状の波にストレスが関わっていると感じたことがある方も多いのではないでしょうか。「ストレスをためないようにしましょう」とはよく言われますが、具体的にどうすればいいのか、迷うこともあると思います。
そんな中で、セルフケアの一つとして注目されているのが、ヨガや瞑想です。今回は、乾癬・PsAとヨガ・瞑想について、これまでにわかっていることを整理してご紹介します。
瞑想やマインドフルネス(「今、ここ」に意識を向ける練習)と乾癬の関係については、これまでにいくつかの研究が行われています。
2022年に発表された系統的レビュー(それまでの研究をまとめて評価した論文)では、1990年から2022年までに行われた研究の中から、6件のランダム化比較試験(参加者を無作為に2つのグループに分けて比較する、信頼性の高い研究方法)が取り上げられました。その結果、6件のうち5件で、8週間または12週間のガイド付き瞑想を行った後に、皮膚症状の重症度を表すPASIというスコアが改善したことが報告されています[1]。
また、光線療法(紫外線を使った治療)を受けている患者さんが、施術中にマインドフルネス瞑想の音声ガイドを一緒に聞いたところ、皮疹が消えるスピードが速くなったという研究もあります[2]。イランで行われた別の研究では、10回のマインドフルネスプログラムを受けた患者さんで、治療終了時とその45日後の両方で、対照群と比べてPASIスコア(皮膚症状の重症度)の改善が見られたことも報告されています[3]。
こうした研究結果から、瞑想やマインドフルネスは、乾癬の治療そのものを置き換えるものではありませんが、通常の治療と組み合わせる「補助的な方法」として、短期的には症状やQOL(生活の質)の改善につながる可能性がある、と考えられています。ただし、長期的な効果についてはまだ研究が十分ではなく、今後のさらなる研究が必要とされている段階です。
一方、PsAとヨガについての研究は、乾癬と瞑想の研究に比べるとまだ数が少ないのが現状です。
イギリスのNHS(National Health Service:国民保健サービス)で行われた小規模な研究では、10人のPsA患者さんを対象に、16週間のヨガセラピーを行い、体の動かしやすさや生活の質への影響、参加者の感想などが調べられました[4]。参加者からは前向きな感想が得られていますが、対象人数が少ないため、今後より大規模な研究で確認していく必要があるとされています。
また、ヨガには、CRPやIL-6といった、体の中の炎症の程度を示す物質を減らす働きがある可能性も報告されています[5]。ある医師は、生物学的製剤などの薬による治療を受けている場合でも、関節の動きやすさを保つために、ストレッチやヨガのような体を動かす習慣を続けることが大切だと述べています[6]。
PsAとヨガについては、まだ研究の蓄積が少なく、「効果がある」と断定できる段階ではありません。ただ、体を動かすこと自体がPsAの症状管理に役立つと考えられていることから、無理のない範囲でヨガのような運動を取り入れることには、一定の意味がありそうです。
ヨガや瞑想と聞くと、「難しそう」「専用の道具や場所が必要なのでは」と感じる方もいるかもしれません。ですが、実際にはもっと気軽に始められます。以下は、私自身が日々の生活の中で取り入れている実践例です。
まとまった時間が取れなくても、5分や10分といった隙間時間にできるのが、ヨガや瞑想のよいところです。無理のない範囲で、少しずつ生活に取り入れてみるのがおすすめです。
また、当協会では「乾癬性関節炎患者さんのためのお役立ちガイド」の中で、身体活動やストレッチについて詳しくご紹介していますので、こちらも併せてご活用ください。
乾癬性関節炎患者さんのためのお役立ちガイド#1
乾癬性関節炎患者さんのためのお役立ちガイド#2
ヨガを始める際には、いくつか気をつけたいポイントがあります。
筆者自身の体験から
私自身も乾癬とPsAの当事者で、2020年からヨガと瞑想を生活に取り入れてきました。長らく無料の動画を見るなどの自己流でしたが、2026年からはレッスンも受けるようになり、自分の心と体に丁寧に向き合う時間が好きで続いています。
今年に入ってから、首や肩、腰の痛みが和らぎ、気持ちの面も穏やかになったと感じています。長年頑固に残っていた頭皮の乾癬もほとんど気にならなくなりました。治療薬の変更やライフスタイルの変化もあるため、効果はヨガ・瞑想だけではありませんが、ストレスマネジメントやセルフケアとして、とても良いものだと感じています。
乾癬はストレスの影響を受けやすいと、自分自身の経験からも感じています。自分の心や体と向き合う時間は、特にPsAをお持ちの方にとって大切なセルフケアの一つになるのではないでしょうか。私自身もまだ学びの途中ですが、よろしければ一緒に始めてみませんか。

奥瀬正紀
睦月山羊座の O 型です。乾癬とは 20 年と少しのお付き合いです。 お勤めはすでにリタイアしていますが旧職場の仲間たちとは今でもときどき交流を図っています。 地域でのつながりも大切と考えて数年前から地元でボランティア活動にも参加しています。 患者団体の活動で知り合った仲間やお世話になっている方々も私にとって大切な人たちです。 病気を持ちながらの人生ではありますが、たくさんの人たちとかかわれていることはとても幸せだと感じています。 当ウェブサイトのメンバー紹介もあわせてご参照ください。
角田洋子
テキスト
添川雅之
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山下織江
1男1女の母。七夕生まれ。空を眺めるのが好きすぎて、気象予報士の資格を取得。温泉も大好きで、学生時代は乾癬を治したい一心もあり、 温泉宿に長期住み込みバイトをした経験も。少し人見知りですが、外へ出かけて新しい世界に触れるのが大好きです。 最近は、ヨガを毎日コツコツ続けています。走るのが好きでしたが、関節炎の症状が出てからは、街や自然の中をのんびり歩くのがお気に入りです。 こちら のプロフィールも、よろしければご覧ください。

柴崎弘之
人との出会いを大切にしながら、患者会や学会をきっかけに全国を訪れることも楽しみの一つです。イベントやSNSなどを通して、乾癬への正しい理解が少しずつ広がり、患者さんが安心して笑顔で過ごせる社会を目指して情報発信を続けています。旅行やドライブが好きで、新しい景色やおいしいものとの出会いも楽しみの一つ。実は、いちごが大好きで、旬の季節にはつい食べ過ぎてしまうのは内緒です。

鈴木由香里
北海道生まれ、山形県在住。男子4人の怒涛の子育てが終わり、現在は夫と愛犬とのまったり暮らし。愛犬あずきとのアニマルセラピー活動、趣味のヴァイオリン演奏やバロック音楽鑑賞、ハンドメイドを楽しんでいます。着物でお出かけも大好き。乾癬性関節炎や併存疾患のため不自由もありますが、諦めるのは最後に、と決めてまだまだできることを模索中。

今井梨紗子
大阪出身。就職をきっかけに奈良へ移り住み、気がつけばもうすぐ10年。奈良の暮らしにすっかり魅了され、毎日鹿を眺めながら癒やされています。2025年に第一子を出産し、現在は育児に奮闘中です。最近の楽しみは、子どもが寝たあとの貴重なひとり時間です。乾癬とは子どもの頃からの付き合いですが、長い間症状を隠して過ごしてきました。その反動もあってか、今は乾癬について積極的に発信する側になりました。よろしくお願いします。
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