膿疱性乾癬(汎発型)を知っていますか?ー 8月13日はGPP啓発の日
「乾癬」と聞くと、皮膚に「紅斑(赤み)」や「浸潤(盛り上がり)」が生じ、その表面に白いカサカサした「鱗屑(かさぶた)」ができる病気というイメージを持つ方が多いかもしれません。しかし乾癬にはいくつかの種類があり、その中でも特に重症化しやすいのが「膿疱性乾癬(汎発型)」(GPP:Generalized Pustular Psoriasis)です。
毎年8月13日は、GPPへの理解を広げるための啓発の日とされています。アメリカの乾癬患者支援団体であるNational Psoriasis Foundationとベーリンガーインゲルハイム社の共同キャンペーンをきっかけに2025年に始まったもので1、希少で重症化しうるこの病気の存在と、病気とともに生きる患者さんの声を、より多くの人に届けることを目的としています。
膿疱性乾癬は、乾癬の中でも重症なタイプとされ、日本での有病率は乾癬患者のおよそ1パーセントとされています2。難病の患者に対する医療等に関する法律(難病法)に基づく指定難病です。同法による支給認定を受けている特定医療費の受給者は令和5年度末時点で全国に2,235人おり、毎年新たに約80人が新規に受給対象となっています。発症のピークは50代から60代ですが、妊娠をきっかけに発症する方もいるため、20代から30代では女性の患者さんが多くなっているのが特徴です。乳幼児や小児の発症例もあります3。
急性期には、誘因がはっきりしないまま、あるいは尋常性乾癬の皮疹に続いて、発熱や灼熱感とともに全身の皮膚が赤くなり(潮紅)、間もなく全身に無菌性の膿疱が多数現れます。発症や急性増悪のきっかけとしては、感染症(特にのどの感染症)、鎮痛剤・解熱剤・抗菌薬などの薬剤、紫外線、疲労、妊娠などが挙げられており、副腎皮質ステロイドの内服を急に中止したり減量したりした際に発症することもあります4。こうした要因により症状が急激に悪化した場合には、自己判断をせず、速やかに医療機関を受診することが大切です。
慢性期には、正常な皮膚に戻ったり、尋常性乾癬の皮疹になったりしますが、急性期の症状が落ち着いた後も関節炎などを合併することがあるため、継続的な治療・経過観察が必要です3。
膿疱性乾癬は、2010年以降の生物学的製剤の登場により治療が大きく進歩し、2022年には急性期の急激な悪化(フレア)を抑える、この病気に特化した新しい生物学的製剤も登場しました。また指定難病であるため、確定診断を受けて申請すると、医療費助成制度により自己負担が軽減される仕組みもあります。10年前と比べても治療の選択肢は広がっており、しっかりと治療に向き合うことで、良い状態を維持できる時代になってきています。
NPO法人 東京乾癬の会(P-PAT)のウェブサイトでは、膿疱性乾癬の症状や治療、悪化時の対策、日常生活での注意点、医療費助成制度の詳細などが、わかりやすくまとめられています。
また、同ページには患者さんとご家族による体験談動画も公開されています。患者さんの体験談では、当会のメンバーでP-PATの理事長でもある添川さんがお話されています。
▼NPO法人 東京乾癬の会(P-PAT) 膿疱性乾癬について
当事者の声
膿疱性乾癬の日を迎え、各地の膿疱性乾癬の患者仲間の皆さんに心からのエールを送ります。膿疱性乾癬は高熱や倦怠感、皮膚の痛みなどの症状によるフレアが起きた時、心身共に辛くなり生命の危機を感じるような気持ちになることもあるかもしれませんが、治療の選択肢は確実に広がり、世界的にも理解と研究が進んでいます。
また、私たち一人ひとりの経験や声が、同じ膿疱性乾癬で苦しむ患者さんの助けになり、治療の発展や社会の認識を変えていく力にもなります。希望を持って、これからもみんなで一緒に歩んでいきましょう。
添川雅之より

奥瀬正紀
睦月山羊座の O 型です。乾癬とは 20 年と少しのお付き合いです。 お勤めはすでにリタイアしていますが旧職場の仲間たちとは今でもときどき交流を図っています。 地域でのつながりも大切と考えて数年前から地元でボランティア活動にも参加しています。 患者団体の活動で知り合った仲間やお世話になっている方々も私にとって大切な人たちです。 病気を持ちながらの人生ではありますが、たくさんの人たちとかかわれていることはとても幸せだと感じています。 当ウェブサイトのメンバー紹介もあわせてご参照ください。
角田洋子
テキスト
添川雅之
テキスト

山下織江
1男1女の母。七夕生まれ。空を眺めるのが好きすぎて、気象予報士の資格を取得。温泉も大好きで、学生時代は乾癬を治したい一心もあり、 温泉宿に長期住み込みバイトをした経験も。少し人見知りですが、外へ出かけて新しい世界に触れるのが大好きです。 最近は、ヨガを毎日コツコツ続けています。走るのが好きでしたが、関節炎の症状が出てからは、街や自然の中をのんびり歩くのがお気に入りです。 こちら のプロフィールも、よろしければご覧ください。

柴崎弘之
人との出会いを大切にしながら、患者会や学会をきっかけに全国を訪れることも楽しみの一つです。イベントやSNSなどを通して、乾癬への正しい理解が少しずつ広がり、患者さんが安心して笑顔で過ごせる社会を目指して情報発信を続けています。旅行やドライブが好きで、新しい景色やおいしいものとの出会いも楽しみの一つ。実は、いちごが大好きで、旬の季節にはつい食べ過ぎてしまうのは内緒です。

鈴木由香里
北海道生まれ、山形県在住。男子4人の怒涛の子育てが終わり、現在は夫と愛犬とのまったり暮らし。愛犬あずきとのアニマルセラピー活動、趣味のヴァイオリン演奏やバロック音楽鑑賞、ハンドメイドを楽しんでいます。着物でお出かけも大好き。乾癬性関節炎や併存疾患のため不自由もありますが、諦めるのは最後に、と決めてまだまだできることを模索中。

今井梨紗子
大阪出身。就職をきっかけに奈良へ移り住み、気がつけばもうすぐ10年。奈良の暮らしにすっかり魅了され、毎日鹿を眺めながら癒やされています。2025年に第一子を出産し、現在は育児に奮闘中です。最近の楽しみは、子どもが寝たあとの貴重なひとり時間です。乾癬とは子どもの頃からの付き合いですが、長い間症状を隠して過ごしてきました。その反動もあってか、今は乾癬について積極的に発信する側になりました。よろしくお願いします。
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