災害に備える ― 乾癬患者さんとご家族のために、今できること
地震や台風、豪雨など、日本では大規模な自然災害がいつどこで起きてもおかしくありません。乾癬は治療の継続が症状の安定に直結する病気です。治療を中断せざるを得なくなったり、避難生活のストレスや不規則な生活によって症状が悪化したりすることも考えられます。難病や慢性疾患の患者さん向けに作られた資料には、乾癬患者さんにもそのまま役立つ内容がたくさんあります。今回は、その中から特に参考になりそうな情報をいくつかご紹介します。
難病を抱える患者さん自身が運営する「難病カフェアミーゴ」(現・なんびょうステーションAmigo)が作成したこのガイドブックは、当事者の声を数多く取り入れた実践的な内容が特徴です。非常持ち出し品のリストには「皮膚治療薬」「かゆみ止め」が具体的に挙げられており、皮膚症状のある患者さんの視点が反映されています。また、関節リウマチや膠原病の患者さんによる体験談も収録されていて、日々薬とともに生活する人の目線で書かれた工夫が随所に見つかります。茨城県のホームページでも紹介されています。
「難病患者のための防災ガイドブックvol.2最終版改」はこちら(なんびょうステーションAmigo公式ホームページ)
乾癬の治療で使われるお薬は、関節リウマチの治療でも使われている薬があります。日本リウマチ財団の「災害時リウマチ患者支援」ページでは、お薬を数日分多めに持っておくこと、自分の病名や治療薬を説明できるようにしておくことなど、過去の震災で実際に起きた事例を踏まえた備えが紹介されています。日頃の備え方から被災時の注意点までをまとめた「災害時リウマチ患者支援 パンフレット・カード」もダウンロードできます。
「災害時リウマチ患者支援」ページはこちら(日本リウマチ財団公式ホームページ)
当事者の声
私のリウマチ整形の主治医は、東日本大震災の時に処方薬が滞った経験から「3週間分は常に持っておくように」と言っています。3週間あれば流通が大体元通りになった、とのことでした。
私も急に止めると命に関わるお薬があるため、すべての薬をそうやって持っています。あと、常に持ち歩くバッグには絶対に飲まなければならない薬を2日分入れてあります。突発事態が起きても困らないように……。
こういうことが起こると、ギリギリの処方はリスクが大きいと改めて感じています。
鈴木由香里より
がん患者さん向けの情報ですが、お薬手帳の携行、治療情報の記録方法、避難所での感染対策など、慢性疾患を抱えるすべての人に共通する基本がわかりやすくまとめられています。何から手をつければよいか迷ったときに、まず読んでおきたい情報です。
「がん患者さんのための災害への備えと対応に関する情報」ページはこちら(国立がん研究センター公式ホームページ)
都道府県や保健所の中には、難病患者さん向けの防災ガイドブックを独自に作成しているところもあります(多くは在宅人工呼吸器使用者などを主な対象としていますが、常備薬の管理や非常持ち出し品リストなど、参考になる部分もあります)。お住まいの都道府県や保健所のホームページで「難病 防災」と検索してみると、地域独自の資料が見つかることがあります。
特別な準備でなくても構いません。お薬手帳のコピーをとる、生物学的製剤の名前と保管条件をメモしておく、非常持ち出し袋にかゆみ止めや保湿剤を入れておく。そんな小さな一歩が、いざという時の安心につながります。この機会に、ご家族と一緒に備えについて話し合ってみてはいかがでしょうか。

奥瀬正紀
睦月山羊座の O 型です。乾癬とは 20 年と少しのお付き合いです。 お勤めはすでにリタイアしていますが旧職場の仲間たちとは今でもときどき交流を図っています。 地域でのつながりも大切と考えて数年前から地元でボランティア活動にも参加しています。 患者団体の活動で知り合った仲間やお世話になっている方々も私にとって大切な人たちです。 病気を持ちながらの人生ではありますが、たくさんの人たちとかかわれていることはとても幸せだと感じています。 当ウェブサイトのメンバー紹介もあわせてご参照ください。
角田洋子
テキスト
添川雅之
テキスト

山下織江
1男1女の母。七夕生まれ。空を眺めるのが好きすぎて、気象予報士の資格を取得。温泉も大好きで、学生時代は乾癬を治したい一心もあり、 温泉宿に長期住み込みバイトをした経験も。少し人見知りですが、外へ出かけて新しい世界に触れるのが大好きです。 最近は、ヨガを毎日コツコツ続けています。走るのが好きでしたが、関節炎の症状が出てからは、街や自然の中をのんびり歩くのがお気に入りです。 こちら のプロフィールも、よろしければご覧ください。

柴崎弘之
人との出会いを大切にしながら、患者会や学会をきっかけに全国を訪れることも楽しみの一つです。イベントやSNSなどを通して、乾癬への正しい理解が少しずつ広がり、患者さんが安心して笑顔で過ごせる社会を目指して情報発信を続けています。旅行やドライブが好きで、新しい景色やおいしいものとの出会いも楽しみの一つ。実は、いちごが大好きで、旬の季節にはつい食べ過ぎてしまうのは内緒です。

鈴木由香里
北海道生まれ、山形県在住。男子4人の怒涛の子育てが終わり、現在は夫と愛犬とのまったり暮らし。愛犬あずきとのアニマルセラピー活動、趣味のヴァイオリン演奏やバロック音楽鑑賞、ハンドメイドを楽しんでいます。着物でお出かけも大好き。乾癬性関節炎や併存疾患のため不自由もありますが、諦めるのは最後に、と決めてまだまだできることを模索中。

今井梨紗子
大阪出身。就職をきっかけに奈良へ移り住み、気がつけばもうすぐ10年。奈良の暮らしにすっかり魅了され、毎日鹿を眺めながら癒やされています。2025年に第一子を出産し、現在は育児に奮闘中です。最近の楽しみは、子どもが寝たあとの貴重なひとり時間です。乾癬とは子どもの頃からの付き合いですが、長い間症状を隠して過ごしてきました。その反動もあってか、今は乾癬について積極的に発信する側になりました。よろしくお願いします。
乾癬患者・家族の方へ
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