「乾癬の原因はこれだ!」「これで乾癬は治る!」を考える
そもそも、どうして乾癬になるのでしょうか?
結論から言えば、乾癬の原因はまだ十分には解明されていません。
しかしながら、乾癬を発症する機序としては、乾癬になりやすい素因に外因性または内因性の危険因子が引き金になると考えられています1。
外因性の危険因子としては外傷などの機械的ストレス、大気汚染、ある種の降圧薬や抗菌薬、予防接種、感染症、飲酒や喫煙などのライフスタイルなどがあり、内因性の危険因子としては肥満、糖尿病、脂質異常、高血圧、精神的ストレスなどがあります。またこれらの因子は乾癬の悪化因子にもなっています1。
最近では、乾癬になりやすい素因に関しても、遺伝子レベルでの研究が進んでおり、いくつかの遺伝子異常と乾癬との関連が示唆されています2-6。
このように、乾癬の原因と考えられる因子は非常に多岐にわたり、また、人によって関係している因子も異なるのではないかと考えます。乾癬は人によって発症の仕方も経過もさまざまですし、乾癬性関節炎や膿疱性乾癬といった病型を示すこともあることを考えれば、そう考える方が自然かもしれません。
「乾癬は〇〇でよくなる(悪くなる)」とか「乾癬の原因は〇〇」などといった文言を、特に一般向けの書籍やインターネットの情報などで見かけることがしばしばありますが、前述のように乾癬の発症や悪化の原因と考えられる因子が極めて多様なことを考えると、こういった文言を見るたびに「ホントかな?」と思ってしまいます。
でも、今の治療に不満や不安があったり、もっと乾癬をよくしたいという気持ちがあればこそ、何かもっとよい方法はないか、あるいは他の人はどうしているのかを知りたくて、ネット検索したり、書籍を探したりする方もいらっしゃると思いますし、それを否定するものでもありません。
そんなときに冷静に考えてほしいことは、実際に何かで乾癬がよくなった(悪くなった)というケースがあったとしても、そもそも乾癬は自然軽快(増悪)することもありますので、偶然の結果であった可能性も十分にあるということです。
たとえば、「〇〇で乾癬がよくなった(悪くなった)」を単なる偶然ではなく一般的に言えることだと主張するには、その「〇〇」(因子)以外に「乾癬がよくなった(悪くなった)」(結果)に影響を与える可能性のある他の因子(交絡因子)をすべて特定し、排除した上で、その因子が結果に関係しているかどうかを調べなければならず、現実的にはかなり困難と思われます。
もしも今の治療に納得がいかない、不安がある場合には、やはりそれを主治医の先生にきちんと伝えて、いっしょに解決策を考えていくことが、結果的には乾癬をよくする一番の近道だと思います。
とはいえ、自分の気持ちや思いを先生にどう伝えればいいのか、これも課題ですよね。そんな方は私たちが2020年の世界乾癬デーに配信した以下のトークセッションをご視聴ください。
最後に、「あなたの主治医はあなたの乾癬を少しでもよくしたいと思っている」ということをぜひ覚えておいてください。
参考文献:
乾癬患者・家族の方へ
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