禁煙ノスヽメ
タバコはナス科タバコ属の植物です。現在、世界各国で栽培されているタバコのほとんどはニコチアナ・タバカスという種で、アルゼンチン北西部に自生するニコチアナ・シルベストリスとボリビア西部に自生するニコチアナ・トメントシフォルミスとの交雑種と考えられています1。
タバコは、1492年にコロンブスがアメリカ大陸へ到達したのを機にヨーロッパ大陸へ持ち込まれ、16世紀以降、日本を含むアジアやアフリカなど世界中に広まったとされています1。当時、すでにアメリカ大陸の先住民たちに喫煙習慣があったことも考えると、タバコは少なくとも500年以上もの間、私たちの生活に根付いていることになります。
なお、平成30年国民健康・栄養調査報告によると、現在習慣的に喫煙している人の総人口に占める割合は17.8%となっており、この割合は最近10年間で有意に減少しています2。
健康維持や増進の観点から「百害あって一利なし」と言われるタバコですが、もちろん、乾癬に対してもさまざまな影響があります。タバコが乾癬にどのような影響があるのか、具体的に見ていきましょう。
非乾癬患者と比較すると、乾癬患者では喫煙者が多く、さらに1日に吸うタバコの本数が多く、喫煙年数も長いという報告があります。また、喫煙歴のある人は乾癬を発症しやすく、現在も喫煙している人ではそのリスクがさらに高かったという報告があります3。
タバコは乾癬の重症度とともに、治療へのアドヒアランスや効果とも関連があると言われています4-6。乾癬の重症度は、喫煙期間や喫煙開始年齢とはあまり関連がなく、1日に吸うタバコの本数やパックイヤー(1日のタバコの箱数×年数)であらわされる喫煙強度と関連していたという報告があります4,5。
また、治療へのアドヒアランスや効果に関しては、特に抗TNF-α抗体(生物学的製剤の一つ)による治療において、喫煙者は非喫煙者よりも治療へのアドヒアランスが低く、効果も乏しかったという報告があります5,6。
なぜタバコが乾癬の発症や重症度に関連するのかはよくわかっていませんが、タバコに含まれるニコチンには炎症性サイトカイン(IL-12, 17, 22およびTNF-α)の放出、血管の新生、角化細胞の増殖を促進するなどの作用があると言われています5,7。
このようにタバコは乾癬の発症および増悪因子となっており、また、治療にも悪い影響を及ぼすようです。
現在、20本入りのタバコ1箱の値段は500円前後ですので、1日1箱のタバコを吸うとすれば、1ヶ月で約15,000円、1年間では約18万円になります。さらに今後もタバコは値上げになるようです。
タバコをやめて、そのお金を治療に充てれば(もちろん、治療以外に使ってもよいのですが)、乾癬の増悪因子の一つを排除できると同時に、乾癬をもっとよくすることもできるかもしれませんね。
愛煙家のみなさんにはきびしいお話だったかもしれませんが、これを機会に禁煙にチャレンジしてみませんか?
参考文献:
乾癬患者・家族の方へ
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