乾癬性関節炎(関節症性乾癬)とメンタルヘルス
乾癬と同様に乾癬性関節炎もメンタルヘルスと深く関連しています。この記事では乾癬性関節炎と不安・うつとの関連について考えてみましょう。
日本人における乾癬性関節炎の有病率は尋常性乾癬患者さんの14~15%と報告されています¹。
一方、海外では、報告によってばらつきはありますが、尋常性乾癬患者さんの14~30%に乾癬性関節炎があると報告されています²,³。
乾癬性関節炎患者さんにおいても不安やうつなどは比較的よく見られる精神症状です。
実際、乾癬性関節炎患者さんにおける不安の有病率は15~30%、うつの有病率は9~22%という報告があります⁴。
また、別の報告では、乾癬性関節炎患者さんにおける不安とうつの有病率はそれぞれ36.6%、22.2%となっており、 これは尋常性乾癬患者さんにおける不安、うつの有病率(それぞれ24.4%、9.6%)と比較して有意に高くなっています⁵。
乾癬性関節炎とうつとの間には炎症反応が関連していると言われています。
うつ病患者さんではIL-6、IL-17、TNFαなどの炎症性サイトカインが過剰に発現しています。
精神的なストレスと炎症性の免疫反応には視床下部-下垂体-副腎系の過活動が関係しており、 これが自己免疫細胞の活性化による炎症性サイトカインの放出や慢性の炎症の引き金になっているようです⁶。
うつ病患者さんにおける視床下部-下垂体-副腎系の過活動は副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモンを増加させます。
この副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモンによるシグナル伝達は関節の炎症にも関与していると言われています6。
うつ症状の程度は痛みの程度と、また、痛みの程度はうつ症状の程度と、弱いながらも相関するといった双方向の関連があると言われており、 これは痛みとうつ症状には因果関係があり、炎症の原因を共有していることが示唆されています⁷。
乾癬性関節炎患者さんは、尋常性乾癬患者さんとくらべて不安やうつの頻度が高く、
また、乾癬性関節炎と不安・うつは一部の生物学的な基盤も共有していることから、
こころの健康には特に気を付ける必要があります。こころの問題を防いだり和らげたりするには、
炎症を抑えるだけでなく、痛みをうまくコントロールすることも大切です。
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