なぜか乾癬患者に嫌われるナス科の野菜たち!?
ナス科の野菜には、ナス、トマト、ジャガイモ、シシトウ、ピーマン、パプリカなどがあります。どれもおなじみの野菜ですし、夏場はこれらの野菜がおいしい季節ですよね。でも、これらの野菜を「乾癬」というキーワードとともにインターネット検索すると、かなりの確率で「好ましくない食材」として紹介されています。何か科学的な根拠があるのかどうか調べてみましょう。
ナス科の野菜には、他の野菜と同じように、たんぱく質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラル、食物繊維などの栄養素が豊富に含まれています1。一方、ナス科の野菜に含まれる成分には毒性を示すものもあります。主にジャガイモの芽や皮(特に緑色に変色した部分)に含まれるソラニンとチャコニン(カコニン)や、トマトの葉や未熟な実に含まれるトマチンです。また、ジャガイモから作られるポテトチップスやフライドポテトにも毒性を示すアクリルアミドが含まれます2。
ナス科の野菜が「好ましくない食材」とされているのは、このような毒性成分が含まれるからなのでしょうか?しかし、わざわざジャガイモの芽や皮、トマトの葉を食べることはないと思いますし、これらの成分は乾癬患者に特異的に毒性を示すものでもありません。また、ナス科の野菜以外にも毒性成分を含む食材は存在します。では、どのくらいの乾癬患者がナス科の野菜を避けているのでしょうか?
アメリカ人乾癬患者を対象とした調査研究では、調査に参加した1,206名のうち、1,037名が乾癬のための食生活改善として何らかの食べ物を避けたり減らしたりしたことがあると回答しており、そのうちナス科の野菜(トマト、ナス、ピーマン、パプリカ、ジャガイモ)を避けたり減らしたりしたことがあると回答したのは28.8%でした3。実際にナス科の野菜が乾癬に悪影響を及ぼすのかどうか、科学的な根拠を探ってみると、それらに対するアレルギーと症状の増強との間に関連があったという報告はありましたが4、それ以外には特に見出せませんでした。
視点を変えて、ナス科の野菜の利点について考えてみましょう。ナス科の野菜には、前述の栄養素に加えて、ファイトケミカルという機能性成分も含まれています。ナスに含まれるナスニン(アントシアニンの一種)、トマトに含まれるリコペン(リコピン)、シシトウに含まれるカプサイシンなどです5。
乾癬の病変部における炎症プロセスは活性酸素の産生を誘発し、乾癬患者では全身性に酸化ストレスの兆候が見られると言われています。ナス科の野菜に含まれるファイトケミカルの多くは抗酸化作用を持っており、これらを摂取することで酸化ストレスを軽減し、抗炎症効果につながると考えられています6,7。
ナス科の野菜は、乾癬に「好ましくない食材」として実際にそれらを避けている人もいるようですが、栄養が豊富で抗炎症効果も期待できる機能性成分も含まれていることを考えれば、むしろ「好ましい食材」なのではないでしょうか。もちろん、ナス科の野菜に対するアレルギーがある場合には避けるべきでしょうし、苦手な方は無理して食べる必要はないと思いますが、ナス科の野菜がおいしくなる季節には、毎日の献立に上手に取り入れて、食事を楽しんでみてはいかがでしょうか。

奥瀬正紀
睦月山羊座の O 型です。乾癬とは 20 年と少しのお付き合いです。 お勤めはすでにリタイアしていますが旧職場の仲間たちとは今でもときどき交流を図っています。 地域でのつながりも大切と考えて数年前から地元でボランティア活動にも参加しています。 患者団体の活動で知り合った仲間やお世話になっている方々も私にとって大切な人たちです。 病気を持ちながらの人生ではありますが、たくさんの人たちとかかわれていることはとても幸せだと感じています。 当ウェブサイトのメンバー紹介もあわせてご参照ください。
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山下織江
1男1女の母。七夕生まれ。空を眺めるのが好きすぎて、気象予報士の資格を取得。温泉も大好きで、学生時代は乾癬を治したい一心もあり、 温泉宿に長期住み込みバイトをした経験も。少し人見知りですが、外へ出かけて新しい世界に触れるのが大好きです。 最近は、ヨガを毎日コツコツ続けています。走るのが好きでしたが、関節炎の症状が出てからは、街や自然の中をのんびり歩くのがお気に入りです。 無理せず、自分のペースで心地よく続けていくことを大切にしています。 こちら のプロフィールも、よろしければご覧ください。
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