乾癬があってもお酒を飲んで大丈夫なの?
乾癬があってもお酒を飲んでよいかどうかは乾癬患者会の勉強会などでもしばしば質問されます。この記事ではお酒と乾癬について考えてみましょう。過度の飲酒は、リンパ球の活性化による炎症性サイトカインの放出や角化細胞の増殖の亢進に、直接的または間接的に関係していると言われています1,2。飲酒量と乾癬の重症度には関係があるという報告もありますが、乾癬患者には喫煙者やメタボリックシンドロームも多く、必ずしもアルコール摂取量だけが乾癬の重症度と関係しているとは言えないようです3。
ここでちょっとお酒の量のお話を。どのくらいの量のお酒を飲んだかは、たとえば「ビールを中ジョッキで2杯」や「日本酒を3合」など、一般的には飲んだお酒の種類とその量で表します。しかし、お酒に含まれるアルコールの量はお酒の種類によってさまざまです。
そこで、「純アルコールで○グラム」と表すことで、飲んだお酒の種類は違っても、摂取したアルコールの量がわかるようにしています。純アルコール量の計算方法はこちらに記載があります。日本では純アルコールで1日あたり平均60グラムを超える量の飲酒を「多量飲酒」と定義しています4。
イギリス人乾癬患者では30.6%にアルコール使用障害がみられたという報告があります5。一般的なイギリス人におけるアルコールの有害な使用、依存症候群がそれぞれ19.76%、10.25%という報告がありますので6、直接比較はできませんが、乾癬患者だから特にアルコールの問題を抱えている人が多いというわけではなさそうです。
さらに、乾癬と飲酒に関する23報の文献を調べた結果、18報で乾癬患者の飲酒量が一般の人よりも多かったという結果で、そのうち3報では乾癬患者は一般の人とくらべて過度の飲酒が多かったという結果でした。しかしながら、5報では、乾癬患者の飲酒量は一般の人とくらべて多くなかったという結果で、これらの結果から乾癬患者における飲酒癖が一般の人よりも高頻度であるというエビデンスとしては限定的となっています7。
適度であれば、必ずしもお酒を飲むことが乾癬に悪いということはなさそうですので、無理に制限しなくてもよいと思いますし、むしろ楽しく飲むことはよいことだと思います。一方で、乾癬患者は非難・差別に対する恐れや自己イメージの低さなどから不安や抑うつになる人もいます。アルコールには不安を和らげる作用があるため、そういったことから逃れるためにお酒を飲む人もいます。
しかしながら、過度の飲酒はかえって不安や抑うつを悪化させてしまいますので8、やはり飲む量は控え目にした方がよさそうです。また、お酒は飲み薬との相性が悪い場合もありますし、飲み過ぎて肝臓を壊してしまうと、乾癬治療に使える薬も制限されてしまいます。
人によって個人差はありますが、お酒を飲むならば、適度な量を楽しむようにしたいですね。ちなみに、日本で「節度ある適度な飲酒」の量は、純アルコールで1日平均20グラムと推奨されています4。
この記事を書くにあたって参照した文献:

奥瀬正紀
睦月山羊座の O 型です。乾癬とは 20 年と少しのお付き合いです。 お勤めはすでにリタイアしていますが旧職場の仲間たちとは今でもときどき交流を図っています。 地域でのつながりも大切と考えて数年前から地元でボランティア活動にも参加しています。 患者団体の活動で知り合った仲間やお世話になっている方々も私にとって大切な人たちです。 病気を持ちながらの人生ではありますが、たくさんの人たちとかかわれていることはとても幸せだと感じています。 当ウェブサイトのメンバー紹介もあわせてご参照ください。
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山下織江
1男1女の母。七夕生まれ。空を眺めるのが好きすぎて、気象予報士の資格を取得。温泉も大好きで、学生時代は乾癬を治したい一心もあり、 温泉宿に長期住み込みバイトをした経験も。少し人見知りですが、外へ出かけて新しい世界に触れるのが大好きです。 最近は、ヨガを毎日コツコツ続けています。走るのが好きでしたが、関節炎の症状が出てからは、街や自然の中をのんびり歩くのがお気に入りです。 無理せず、自分のペースで心地よく続けていくことを大切にしています。 こちら のプロフィールも、よろしければご覧ください。
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