「受け入れてほしい」から「自分を受け入れる」へ
皆さんは、乾癬についてなかなか人に話せなかったり、悩んだことはありますか?
私は10歳で発症し、乾癬について人にきちんと話せるようになるまで15年ほどかかりました。子どもの頃からずっと症状を隠して生きてきました。
頭皮の鱗屑を見られたら、「不潔だ」と思われて嫌われるかもしれない。そんな恐怖心から、子供ながらにいつもトップスは白っぽい服を選んでいました。もともと自分の容姿に自信があったわけではありませんが、鱗屑の存在は私の自己肯定感をさらに低くしていきました。
25歳の頃、発症から15年経ってようやく「乾癬」だと分かりました。自分で乾癬について学び、人にも説明できるようになるにつれ、少しずつ仲の良い友人にも打ち明けられるようになりました。
幸い、友人たちはみんな受け入れてくれ、温かい言葉をかけてもらうたびに、「私はなんて良い人たちに恵まれているんだろう」と感動していました。
そんな幸せな時間を過ごす中で、ある日ふと違和感を覚えました。
周りの人に受け入れてもらうたびに、私は心の中で「こんな私を受け入れてくれた」と言っていたのですが、その「こんな私」という言葉が、気になり始めたのです。
「こんな(症状の)私」と認識している時点で、自分の外見のことを一番厳しく見ていたのは、自分自身だったと気づきました。「不潔だと思われたくない」と強く願うあまり、無意識のうちに、自分のことを「不潔な存在」として扱っていたのかもしれません。
これは恋愛においても同じで、私はずっと誰かに「乾癬の私を受け入れてくれる人」を探していました。そして夫と出会って初めて、誰かにありのままを受け入れてもらうことの幸せを感じました。長年の夢が叶ったのです。「こんな私」を愛してくれる人を見つけた、と喜びを噛み締めていました。鱗屑のことも理解してくれ、私の体を気にかけてくれる。話を聞いてくれる。夫は私の1番の理解者だと思いました。
ですがよく考えると、私の体の症状について一番分かっているのは、私です。どんな時にどんな思いをしているか、一番分かっているのは私しかいません。だったら、本当の1番の理解者であり味方になれるのは、私なのではないか?と思いました。
ずっと乾癬の私を受け入れてほしいと「誰か」を探し続けていました。でも、真っ先に受け入れるべきなのは、夫でも、友人でも、周りの誰かでもなく、自分自身だったのです。これが、ぐるっと遠回りしてようやくたどり着いた私なりの答えです。「灯台下暗し」とは、まさにこのことですね。
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ありのままの自分を誰かに受け入れてもらえることは、この上なく幸せなことです。それは夫や、友人と出会い、心から感じています。ですが、それ以上に大切なのは、どんな時もまず自分を認め、受け入れること。自分に優しく寄り添い、一番の味方でいることなのだと思います。
乾癬は症状が良くなったり悪くなったりを繰り返します。だから、いつも前向きでいられるわけではありません。そんな日も、少し照れますが、鏡に映るもう一人の自分に、「いや~、でもよく頑張っているよ」と、親友にかけるような労いの言葉や励ましの言葉をかけてみます。鏡の中のもう一人の自分は、これまでどれだけ頑張ってきたかを一番よく知っている、かけがえのない理解者です。何があっても、自分の味方でいてくれます。
乾癬があってもなくても、自分と一番長く付き合っていくのは自分自身です。だからこそ、自分だけは、自分の世界一の味方でいたい。今は、せっかくの体と心を大事にしようと日々意識しています。
この私の経験が、今この文章を読んでくださったあなたにも、少しでも何か気づきや、心が軽くなるきっかけがあれば幸いです。

奥瀬正紀
睦月山羊座の O 型です。乾癬とは 20 年と少しのお付き合いです。 お勤めはすでにリタイアしていますが旧職場の仲間たちとは今でもときどき交流を図っています。 地域でのつながりも大切と考えて数年前から地元でボランティア活動にも参加しています。 患者団体の活動で知り合った仲間やお世話になっている方々も私にとって大切な人たちです。 病気を持ちながらの人生ではありますが、たくさんの人たちとかかわれていることはとても幸せだと感じています。 当ウェブサイトのメンバー紹介もあわせてご参照ください。
角田洋子
テキスト
添川雅之
テキスト

山下織江
1男1女の母。七夕生まれ。空を眺めるのが好きすぎて、気象予報士の資格を取得。温泉も大好きで、学生時代は乾癬を治したい一心もあり、 温泉宿に長期住み込みバイトをした経験も。少し人見知りですが、外へ出かけて新しい世界に触れるのが大好きです。 最近は、ヨガを毎日コツコツ続けています。走るのが好きでしたが、関節炎の症状が出てからは、街や自然の中をのんびり歩くのがお気に入りです。 こちら のプロフィールも、よろしければご覧ください。

柴崎弘之
人との出会いを大切にしながら、患者会や学会をきっかけに全国を訪れることも楽しみの一つです。イベントやSNSなどを通して、乾癬への正しい理解が少しずつ広がり、患者さんが安心して笑顔で過ごせる社会を目指して情報発信を続けています。旅行やドライブが好きで、新しい景色やおいしいものとの出会いも楽しみの一つ。実は、いちごが大好きで、旬の季節にはつい食べ過ぎてしまうのは内緒です。

鈴木由香里
北海道生まれ、山形県在住。男子4人の怒涛の子育てが終わり、現在は夫と愛犬とのまったり暮らし。愛犬あずきとのアニマルセラピー活動、趣味のヴァイオリン演奏やバロック音楽鑑賞、ハンドメイドを楽しんでいます。着物でお出かけも大好き。乾癬性関節炎や併存疾患のため不自由もありますが、諦めるのは最後に、と決めてまだまだできることを模索中。

今井梨紗子
大阪出身。就職をきっかけに奈良へ移り住み、気がつけばもうすぐ10年。奈良の暮らしにすっかり魅了され、毎日鹿を眺めながら癒やされています。2025年に第一子を出産し、現在は育児に奮闘中です。最近の楽しみは、子どもが寝たあとの貴重なひとり時間です。乾癬とは子どもの頃からの付き合いですが、長い間症状を隠して過ごしてきました。その反動もあってか、今は乾癬について積極的に発信する側になりました。よろしくお願いします。
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